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柚木麻子『私にふさわしいホテル』 | 執念とハッタリで道を切り拓く

文学新人賞を受賞した加代子は遂に憧れの小説家になれる….!!
そんな希望に胸を膨らませた加代子を待っているのは、煌びやかな文芸の世界ではなく、大人の事情が満ちた綺麗とは言い難い世界であった。加代子は薄汚い世界にどのように挑んでいくのか。

本作映画化決定!!2024年12月 全国ロードショーとのことです。
主演:のん
監督:堤幸彦

下記記事でのんさん、堤幸彦さん、原作者の柚木麻子さんによる映画化に対する気持ちが綴られています。ぜひ読んでみてください。

引用元:のん × 堤幸彦『私にふさわしいホテル』映画化&12月公開決定!ティザービジュアルが解禁!

後ほど紹介しますが、主人公の加代子を演じることはかなり難易度が高く、技術が求められそうだな、と思いました。上記記事の柚木麻子さんのインタビューにこんなことが書いてありました。

映画化のお話を聞いてとても嬉しかったのですが、加代子を演じても嫌われない俳優さんが日本にいるのかな?という懸念(…中略…)はありました。
けれどその不安は杞憂に終わり、(…中略…)場面(※ネタバレ避けるためぼかします)では、本当に涙がこぼれました。

のん × 堤幸彦『私にふさわしいホテル』映画化&12月公開決定!ティザービジュアルが解禁!

涙が出るほど素晴らしい映画…!!

私の不安も杞憂にすぎませんでしたね。加代子を演じるのんさんの演技力が見られる本作品の映画化が公開される日が楽しみですね!

さて本の紹介を始めます。

目次

登場人物 | 『私にふさわしいホテル』

小説家を夢見る加代子が文学新人賞を受賞した後から始まる、物語。
順風満帆かと思いきやなかなかどうして苦労をしている。それもそのはず同時受賞したのが元人気アイドルであった。注目を奪われもっぱら彼女の話題で持ち切り。そんな不遇の状態から激闘が始まる。

個性的で魅力がある登場人物で読んでいてワクワクします。

あらすじ | 『私にふさわしいホテル』

物語は、主人公”中島加代子”が文学新人賞を受賞したところから始まります。が、受賞したにもかかわらず小説家としてなかなか売れない・・・。なぜなら同時受賞者が元人気アイドルであり注目が奪われてしまったから。
そんな不遇な状態から始まる小説家としてのキャリアを書き記していく形でストーリーが展開されます。

中島加代子はそんな境遇にも負けじと加代子の強み”執念”と”ハッタリ”を駆使して果敢に挑みます。
先輩である遠藤、大御所作家の東十条を巻き込みながら前進する加代子のストーリーはハラハラドキドキです!

ふさわしいホテルとは | 『私にふさわしいホテル』

小説はホテルの説明から始まります。

ホテルのエントランスへと続くゆるやかな坂道に、八月の木漏れ日が差し込み優雅な模様を作っている。(中略)遠峰健氏による「山の上ホテル」の涼やかなフォントを見つめ、心の中で呼びかけた。

ただいまー。私のためのホテル

引用元:『私のふさわしいホテル』柚木麻子 | p.9(新潮文庫)

まず文が美しいですよね。柚木麻子さんの本を読んでみて描写がすごく丁寧かつ美しい文章だと感じました!

それはさておき小説のタイトルにもなっているホテルの正体は、「山の上ホテル」です。
調べてみると実在するホテルでした。
※ただ現在は建物の老朽化対応検討のため、休館中とのことです。

山の上のホームページがございましたので見てみたところ、「多くの文豪に愛され続け」と記載がありました。

引用:https://www.yamanoue-hotel.co.jp/

川端康成さん、三島由紀夫さん、池波正太郎さんをはじめ数多くの作家の方々に愛され、
定宿としてご利用いただいた山の上ホテル。瀟洒なしつらえと、温かく行き届いたサービス。
洗練された味の世界は、今なお、多くの文化人を魅了し続けます。

引用:山の上ホテル コンセプト https://www.yamanoue-hotel.co.jp/concept/

ホームページに記載されているように名だたる作家がこちらのホテルに泊まっていたようです。
この本でも出てくるようにまさに「今なお、多くの文化人を魅了し続けて」いるようですね。

加代子も文豪に憧れてこのホテルで小説を書いています。
何かに憧れて形から入るというのは、自分の気持ちを高めるためにとても大事なことですよね。
加代子の純粋な気持ちはほっこりします。

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