最近書店で『(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法』を立ち読みしたところ、綿矢りささんの『かわいそうだね?』が紹介されていました。
そうです!
三宅香帆さんは最近話題の文芸評論家で、『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』 (集英社新書)で一躍有名になった方ですね!
その本も以前読み、結構面白かったのでどこかで紹介できたらいいな、って思っています。
働いていると本が読めなくなる理由に共感する人が多いから売れているのだと思います・・!
私も『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』 で三宅香帆さんを知りました。そこからYouTubeチャンネルを視聴したりして、読書が本当に好きな方なんだなと印象を持ちました。
本を紹介するときの熱量も高く、また面白い視点/柔らかくわかりやすい解説、しかも的確な書評で最近注目の書評家です。
そんな三宅さんが紹介していた本でしたので、買って読んでみました。
綿矢りさ『かわいそうだね?』のご紹介
本書は「かわいそうだね」「亜美ちゃんは美人」の中編小説を二篇を収録した小説となります。
今回ご紹介するのは、「かわいそうだね」になります。
購入した本ですが、通常のブックカバーに加えて、特別版のブックカバーがついていました。
そうなんです!どちらも素敵なカバーですよね!
特に特別版のカバーは、共感を誘い読書欲を掻き立てるような紹介になっていますよね。
さて簡単に「かわいそうだね」のおすすめポイントをご紹介していきます。
読んでみて思ったのが、ストーリー展開が面白いことこと。どんどん吸い込まれるように読んでしまいました。
私は小説を読むとき、この作品面白いって思える条件に「飽きがこないこと」があるかなって思っています。
もちろん小説によって内容が違いますから「飽きがこないこと」は多義的です。
感覚ですが、ミステリーや恋愛小説などのジャンルは「一気に読み終えること」を「飽きがこないこと」と同義かなと思っています。一方で純文学や古典は「考えながら読めること」「世界観に引き込まれること」を「飽きがこないこと」と同義と捉えています。
今回は前者の「一気に読み終えること」が「飽きがこないこと」に当てはまります。
疾走感のあるストーリー展開に吸い込まれ、一気に読み終えてしまいました。
「飽きがこない」で読み終えることができた点だけでも、この小説に満足しています!!
そうなんですよ。最近は「一気に読み終えること」ができる小説となかなか出会えませんね。
東野圭吾さんや伊坂幸太郎さんの作品は高確率で「一気に読み終えること」ができ、愛読しています。
脱線してしまいますが、最近では私の中では韓国ドラマが「飽きがこない」作品が多いなって実感しています。
『女王の涙』や『梨泰院クラス』など長編のドラマにも関わらず、耐える時間がほとんどなく、一気に観終えてしまいますね。ここら辺は単純なストーリーの内容ではなく、感情の動きを科学的に研究して、退屈しないコンテンツ作りをしているのではないかなって思っています。
「かわいそうだね」に関してはストーリーが面白いこと、話がサクサク進むこと、キャラクターが特徴的であること、が「一気に読み終えること」を可能としています。
簡単にストーリーを説明すると、「彼氏が元カノと同棲している。これって許せる?」って話です。
そうですよね・・・!通常許せない話なので、この後の展開が気になりませんか?
もうこの時点でストーリー展開が気になって仕方ないですよね。
ストーリー展開も脱線をすることなく進むため、サクサク読み進められます。
ストーリーが気になる話で、脱線に脱線を重ねられると興ざめしちゃいます。。
最後にキャラクタですが、登場人物も多くなく、皆特徴的でわかりやすいです。
「あれ、誰だっけ」ってことにならないので、とても読みやすいです!
おすすめポイントの2点目に記載した「恋愛中の人におすすめ!恋愛のマナーについて改めて考えたくなるはず。」ですが、ここまで紹介したので勘づいている人もいらっしゃるのではないでしょうか。
そうです。あなたは許せますか?それとも許せないでしょうか?
主人公の樹理恵は同棲を許せたのでしょうか?
その結末はぜひ実際に本書を読んで確認してみてください。
コメント