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誇り高く生きること 小説『小公女』

かなえ

最近、家事に仕事で忙しくて
なかなか友達と遊ぶ時間がないわ・・

かなえ

周りはどんどん結婚していくし、なんか私の人生ってみじめだわ

知的なお姉さん

あら、どうしたのよ。
そんなに暗くなって

かなえ

玲子さん・・。

かなえ

ちょっと聞いてくださいよ・・
最近、自分の生き方がみじめな気がしてならないんです。

かなえ

周りが結婚しだしてから、置いていかれた感がでてきて・・
それに今は仕事が忙しくて、恋人探している時間もないし・・
にっちもさっちもいかず、落ち込んでいるんです。

知的なお姉さん

そういうことね。
でも、あなた仕事が楽しいって言っていたじゃない。

かなえ

そうだったんですけどね、
この間人事で別の部署に飛ばされたんです。
そこではあんまりいい人間関係が築けていないんです。

かなえ

仕事さぼっている人がいて、その人に強く言っちゃって・・
その人は仕事はできないけど、周りから愛されているタイプであったため、私が悪者みたいなっちゃったんです。

かなえ

そのせいで周りから疎まれてしまい・・
「じゃあ仕事ができるならあなたがやってよ」ってことで
私にばかり仕事が割り当てられるようになっちゃいました。

かなえ

今では土日も仕事をしないと終わらないんです‥
自分がみじめでつらいです・・・

知的なお姉さん

いつの時代にもこういうことはつきものね・・

かなえ

今の境遇がみじめで、休みはドラマ・映画を観たりしてぼーっと過ごして、現実世界から逃避しています。

知的なお姉さん

ときには、現実逃避も大事だと思うけど、
もしかしたら今は現実に灯をともすことが必要かもしれないわね。

知的なお姉さん

現実に灯をともすことの重要性を考えさせられる
小説を紹介するわ。

知的なお姉さん

バーネットの『小公女』よ。

かなえ

わぁ、かわいい表紙ですね!
どんな小説なんですか??

知的なお姉さん

どんな境遇でも誇りを持ち続けることの重要性について考えさせられる一冊よ。

『小公女』のあらすじを簡単にご紹介します。

あらすじ(前半)
主人公はクルー家の娘である、7歳の少女セーラ・クルー。
父ラルフ・クルーは資産家で事業家であり、お金持ち。

セーラは勉学のため寄宿舎に入る必要があり、インドからイギリスへ帰国し、父とは離れ離れ。
セーラとは馬の合わないミス・ミンチンのセレクト女子寄宿学校に入学しました。

お金持ちであるセーラは先生からは特別扱い、生徒からは憧れのまなざしを浴びて、人気者で不自由のない生活を送っていました。

かなえ

セーラって子は学校でも人気者で楽しそうね。
どんな子供なの?

知的なお姉さん

セーラは頭が良くて、人に親切で困っている人を助ける子よ。
あと、大人びている子でプリンセスみたいな品性があるの。

知的なお姉さん

でね、想像力が豊かで「ごっこあそび」をよくしている子よ。

あらすじ(後半)
お金持ちであるセーラは先生からは特別扱い、生徒からは憧れのまなざしを浴びて、人気者で不自由のない生活を送っていました。

しかし、ある日のこと。
父が全財産をつぎ込んだ事業が失敗し、さらにインドで亡くなってしまいました。

損得勘定で動いていたミス・ミンチンはこの知らせを聞いてから、セーラに対する態度を180度変えました。セーラを使用人として扱うようになりました。

この日以降、セーラの暮らしは極貧の生活となり、過酷な労働環境でろくに食事も与えられない、なんともひもじい生活に一変しました。

しかしそんな中でもセーラは持ち前の想像力を駆使して、ミス・ミンチンに謙ることなく、誇りを保ちつづけました。

かなえ

かわいそうなセーラ・・。
あんなにみんなから憧れのまなざしでみられていたのに・・

知的なお姉さん

そうなの・・。
父が亡くなってから、お金がなくなってしまってね・・。
それ以降は使用人のように扱われ、労働し始めたの。

知的なお姉さん

セーラもこの境遇はとても耐えがたいと思っていたわ。
おなかがすくし、扱いもひどかった。

知的なお姉さん

セーラは決してほこりを捨てなかったわ。
自分をみじめだと思わず、自分よりも困っているひとに親切をしつづけたの。

かなえ

すごいわ・・!セーラ!
そんなひどい境遇だったら心が折れてしまうわ。

かなえ

でもどうやって誇りを失わず、現実逃避をしなかったのかしら。

知的なお姉さん

現実を再解釈することで現実を明るいものと捉えなおすことができたの。それによって誇りを保ったのよ。
ちょっと整理しましょうか。

セーラはどうやって誇りを保ち、現実逃避をしなかったのか。

セーラの想像力が誇りを保つポイントになっていたようです。

想像力によって、セーラは貧困に転落しても「自分は王女のように振る舞う」と言い聞かせていました

メモ
これは、「実際に王女である」という妄想とは全く違うものです。
「王女のように振る舞う」というのは、王女ではないことを理解した上で、王女にふさわしい振る舞いをすることであり、妄想は①王女でないことを理解していないか、②「もしも王女だったら・・」と考えるだけで振る舞いに現れないと思われます。「王女のように気高くあろうとする」という内面のあり方を自己認識していました。

つまり、自分は王女ではないけど、王女のように気高く振る舞おうと意識をしていたのです。


そのために想像力が大きな手助けをしました。
想像力は、現実の意味を再解釈するためのツールとして機能しました。

例えば、セーラは、惨めな現実を「意味のない苦しみ」としてではなく、「試練」「物語の一部」として受け取ることで、自分を保ちました。

屋根裏部屋を「囚われの王女の部屋」と捉えることで、 「自分は不幸な女中ではない。誇り高き王女の試練を受けているのだ」と再解釈を行いました。

つまり、セーラは現実逃避せずに、現実を灯をともすこと(=現実を再解釈すること)で、誇り高く振る舞うことができたのでした。

かなえ

現実逃避ではなく、現実に灯をともす。
何となく意味が分かりました。

かなえ

現実から逃げ出すのではなく、まっすぐ見つめる。
そして現実を再解釈して乗り越えるヒントにすることね。

知的なお姉さん

そうよ。現実に対して再解釈し、意味づけを行う。
そして乗り越える・抜け出すための力に変える。

知的なお姉さん

補足しておくと、セーラ自身も「私は不幸ではない」と無理に否定をしていないわ。今はつらい状況であることを必死に受け止め、想像力を駆使して乗り越えたの。

知的なお姉さん

念のため言っておくけど、これはあくまでもヒントなの。
本当につらいとき無理しずきないことよ。
ときには現実逃避も悪い選択肢ではないかもしれないわ。

かなえ

そうですね、本当にきつくなったらどんどん逃げます!
でも自分をみじめだと思うのはしんどいです。
今回の話は、つらいことがあったときに向き合い方を探る、よいヒントになりました!

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